ペットの終活について考えていますか?
近年耳にする機会の増えた「終活」。
終活とは死と向き合い、自分らしい最期を迎えるための準備のことをいいます。本来は人間のために作られた言葉ですが、家族同然に大切なペットにも必ずお別れの時がやってきます。
来るべき日に大切な家族をお見送りできるよう、今から終活について考えてみましょう。
◆シニアから準備しておくこと
ワンちゃんやネコちゃんを始め、ペットとして飼育される動物の多くは人間より寿命が短いものです。
ペットがシニア期を迎えたら、死を身近なものと捉えて少しずつお別れの準備をしていかなくてはなりません。実際にペットが死を迎えると、悲しみとショックでどう対応したらよいかわからなくなる飼い主さんも多くいらっしゃいます。まだ生きているのに縁起が悪いと目を背けず、きちんと見送ってあげられるだけの備えをしましょう。
備えておくと安心な4つのこと
1.遺体の安置に必要なものの準備
遺体の安置に必要な棺や毛布、保冷材など葬儀までに必要なアイテムをそろえておきます。
2.葬儀について話し合う
ペットとどんなお別れがしたいか、どの葬儀社を利用するかなどあらかじめ家族で話し合って確認しておきましょう。
3.各手続き内容の確認
鑑札や狂犬病予防注射済表の所在確認や、ペット保険に入っている場合は解約内容をチェックしておきます。
4.写真やグッズの整理
ペットの写真やおもちゃなど、思い出の品はこまめに整理してすぐに出し入れできるところに収納しておきましょう。
◆ペットとのお別れの種類と流れ
ペットとのお別れの形は、人間以上にたくさんの方法があります。納得のいくお別れができるよう、それぞれのお別れの内容と流れを知っておきましょう。
·安置
ペットが亡くなったら死後硬直が進む前に速やかに安置をします。棺などに収まらなくならないよう、亡くなったら早めに前後の脚を胸の方に優しく折り曲げてあげましょう。
腐敗させないためにもドライアイスや保冷剤を一緒に入れておくと安心です。
·搬入
葬儀場所が確定したら、ペットの搬入を行います。搬入は自分で葬儀社や霊園に持ち込む方法か、業者にお迎えにきてもらうかの2択となります。
·葬儀
葬儀は自宅で行う場合と、葬儀社で行う場合があります。アットホームでゆっくりとお別れをしたい人は自宅葬を、祭壇や読経などを行い本格的なお別れをしたい人は葬儀社葬を選ぶのがおすすめです。
葬儀社に依頼する場合は、料金やオプションなどをしっかり確認しておきましょう。
·火葬
火葬は一般的に3種類あり、形態によって立ち会いの可否や料金などが異なります。
合同火葬は他のペットと一緒に行われるため、費用は抑えられますが立ち会いができません。お骨も混ざってしまうため、収骨と返骨も不可となります。
一任個別火葬はプロにお任せして個別に火葬を行ってもらう方法です。立ち会いや収骨はできませんが、火葬後の返骨は可能となります。
立ち会い個別火葬はすべての工程を自分で見届けることができます。その分費用も高額となるため、対応している葬儀社や霊園に相談してみましょう。
·納骨
毎日お参りしたい、そばにいたいという人は、自宅への納骨を選びましょう。骨壺と一緒に写真やお花を飾ったり、仏壇や仏具セットを用意したりするのが一般的です。
ペット霊園に納骨する場合は、お墓に入れる方法と納骨堂に安置する方法の2つが選べます。お墓は共同墓地でも個別墓地でも、人間と同様に永代使用料がかかります。遺骨を目に見えるように供養できる納骨堂は、仕切られた1スペースを契約して使用する形がスタンダードです。
上記に比べて数は少ないですが、自然に返したい、思い出の場所で供養したいという人は散骨するという選択肢もあります。
◆ペットとの思い出を形にする
亡くなったペットと過ごした思い出を形にして、そばに置いておけるようにメモリアルグッズを作る飼い主さんが増えてきています。
例えば最期の安らぎの場所として使用する骨壺や位牌にペットの写真をプリントしたり、遺骨や遺毛をリメイクしたグッズを作ったりと方法はさまざまです。側に身につけておきたい場合は、写真つきのチャームや遺骨をカプセルに入れたメモリアルペンダントなども製作できます。
◆ペットロスとの向き合い方
ペットとの絆が深いほど、飼い主さんはペットロスに陥りやすくなります。ペットロスとはペットを亡くしたことで、飼い主さんの心身に異常をきたしてしまう状態のことです。時間が経つのを待つ、親しい人に話を聞いてもらう、新しくペットを迎えるなど解決の方法は人によりさまざまです。
いずれにしてもペットをきちんと供養して、気持ちの整理をつけることがペットロスの改善につながります。もし長期に渡って症状が続く場合は、カウンセラーなどに相談してみましょう。
◆まとめ
人間と同様にペットの死と向き合い、今後の過ごし方を考える終活は大切な時間です。家族の一員だからこそ、一緒に過ごせる今を大切にしながら、納得のいくお別れを迎えられるよう準備しておきましょう。