犬の血統書って大切なの?
ペットショップなどで『血統書付き』という表示を見かけたことはありませんか?血統書は犬の純血を守るために必要な証明書ですが、何に役立つかなど実はあまり広く知られていないのが現状です。今回は血統書の大切さと、血統書の見方や活用法についておはなしします。
血統書とは何か?どんなことがわかる?
血統書とは血統証明書の略で、純血犬種であることを証明する書類になります。人間でいうところの、戸籍妙本といえばイメージしやすいかもしれません。血統書は三世代前までの祖先犬の情報を遡ってみることができます。血統書は初めて見ると見方が複雑なため、ここでどのようなことが記載されているかを解説します。

〈血統書の見方〉
①犬名
ここに書かれているのは飼い主さんがつけた犬の名前ではなく、名前とブリーダーが所有する屋号の組み合わせでつけられた正式名称が記載されます。「JP」という記載は、国際畜犬連盟に犬舎が登録されていることを示しています。
②犬種
③登録番号
犬籍登録上の通し番号です。犬種記号(トイプードルならPTなど)+5ケタの英数字+年号で構成されています。
④性別・生年月日
⑤毛色
それぞれ犬種により認められているカラーが異なります。2色以上の犬は毛色の前に×印がつきます。
⑥DNA登録番号・マイクロチップ番号・股関節の評価結果(いずれもあれば記載)
股関節の評価は希望があった場合に記載をし、繁殖の指針としています。
⑦繁殖者名前
ブリーダーさんの名前が記載されます。
⑧所有者名
最初は繁殖者名が記載されています。飼い主の名前に変更可能ですが、変更はJKC(ジャパンケネルクラブ)の入会が必要となるので覚えておきましょう。
⑨系図等
三世代前までの血統が示されています。ドッグショーでタイトルを取得したり、各種訓練に合格したりしている場合はここに記載されます。
血統書はどうして必要?どんなときに使う?

血統書は犬の血筋を明らかにしてくれる証明書となるため、さまざまな場面で役に立ちます。
・純血の犬を飼いたい
例えば芝犬を飼いたいと思ったときに、「実は雑種でした」なんてことがあっては困りますよね。血統書は犬の血筋を明確にして、保証してくれる役割があります。そのため、特定の犬種を飼いたいときの資料としてたいへん役に立ちます。
・ショーに参加したい
ドッグショーや訓練は犬種別に行われることも多く、犬種の証明として血統書の提出が必要な場合があります。参加するときは事前に血統書が必要かどうか確認しておきましょう。
・子犬がほしい
飼っている犬の子どもが欲しい、ブリーダーをやりたいなど、犬を繁殖させたいときにも血統書が参考になります。交配は血縁が近い犬同士は危険なため、血統書で確認をして避けるようにしましょう。
血統書を発行している団体とは
犬の血統書を発行している団体はいくつかありますが、代表的な団体はJKC(ジャパンケネルクラブ)です。JKCは純粋犬種の犬籍登録や畜犬の飼育推奨などの活動を行なっている社団法人で、国際畜犬連盟(FCI)にも加盟しています。見本の血統証明書もJKCが発行しているものです。ほかにもKCジャパン(日本社会福祉愛犬協会)や、日本シェパード犬登録協会など単一犬種のみを扱っている団体などさまざまな団体があります。団体によって登録料や条件が変わってくるため、登録する前に必ずチェックしてから手続きを行ってください。
血統書に不正があるって本当?

犬の血筋を示す証明書である血統書ですが、残念ながら不正が起こりうる可能性もあります。よくある例が、ブリーダーによる血統書詐欺です。例えば血統書付きと謳って販売された犬に、実は血統書の登録がされていなかったケースや、本来の親と違う親犬を登録申請されるケースなどがあります。特に気をつけたいのは血統詐欺で、これは近親交配の可能性も出てくるため要注意。このような不正や詐欺を見逃さないためにも、わんこの血縁はしっかりと調べることが大切です。
飼い犬の血縁を探せるサイト『HOUDY』
「自分の飼っているわんこの親、兄弟が知りたい」「登録されている血縁が本当に純血か調べたい」そう思っても、自分の力だけでわんこの血縁関係を調べるのは至難のワザ。そんなときおすすめなのが、動物の血縁を探してくれる『HOUDY』というサービスです。HOUDYは登録してあるわんこの中から親や兄弟を探してくれる、いわば血縁の検索エンジンのようなもの。
登録は四世代まで可能で、もし親や兄弟が見つかればお知らせ機能で通知もしてくれます。血統書の名前は世界共通で使われているため、日本以外に住んでいるわんこでも登録があれば血縁を一致させることが可能なのもうれしいポイント。
実は我が家のクランとムックも登録してクランに関してはツイッターで仲良くしているフォロワーさんのワンコと親戚ということがわかりました!こういった楽しみ方もあるので是非登録数が増えればと思ってます♪
血統書は発行が義務付けられているものではありませんが、あると飼っているわんこの血縁を知ることができる大切な資料となります。血統書が発行されたら情報が正しいものかどうか、わんこの親などを含めて確認しておきましょう。わんこの血縁を探してくれるサービスもあるので、ぜひ有効活用してくださいね。